学習記事|0. はじめての経理・財務|1. キャッシュマネジメント基礎

1か月の間に、
いくら儲かったか。

それを計算する表があります。

損益計算書とは何か

難易度レベル0 はじめての経理・財務 所要時間3分 前提知識貸借対照表とは何か
⏱ 30秒で理解

損益計算書とは、一定期間(1か月や1年)に、いくら売って、いくら費用がかかって、差し引きいくら残ったか(利益)を計算する表です。

さくらの4月は、50万円売って、仕入に30万円かかりました。差し引き20万円が、この1か月の利益です。

さくらの4月:売って、かかって、残った

さくらは4月に、30万円で仕入れた商品を、50万円で売りました。この差額が、さくらの4月の儲け=利益です。

売上
50万円
−
仕入にかかった費用
30万円
=
利益
20万円
損益計算書の基本形:売上から費用を引いたものが利益です。

ここでも大事な「まだ」があります

気づいたでしょうか。この50万円の売上も、30万円の費用も、現金としてはまだ動いていません。前の記事「売掛金・買掛金とは何か」で見たとおり、代金のやり取りは来月です。それでも損益計算書では、「商品を売った」その時点で売上を記録します。一方、仕入れた商品の費用(売上原価)は、「仕入れた時点」と「費用として損益計算書に反映される時点」が、実は同じとは限りません。この2つを分けて見てみます。

①仕入れた時点:まず「仕入」として記録する

商品を仕入れると、簿記では「仕入」という勘定科目でいったん記録します(この記帳のしかたは「仕訳の基本」で扱います)。ただし、ここで大事なのは、「仕入」として記録することと、「その金額がそのままその期の費用になること」は、同じではないという点です。

②決算時点:売れ残りは資産として残る

期末(決算日)の時点で、仕入れた商品のうち売れずに残っているものがあれば、それは費用ではなく「棚卸資産(在庫)」という資産として、貸借対照表に残ります。費用になるのは、実際に売れた分の原価だけです。

③売上原価:損益計算書に反映されるのは「売れた分」だけ

この「売れた商品の原価」を売上原価と呼び、これが損益計算書の費用として反映されます。さくらの4月の例では、仕入れた30万円分を4月中にすべて売り切っているため、たまたま「仕入30万円=売上原価30万円」になっています。

もし一部が売れ残っていたら(参考)

同じ30万円の仕入のうち、たとえば10万円分が4月末の時点でまだ売れていなかったとします。この場合、費用(売上原価)になるのは売れた分の20万円だけで、残り10万円は棚卸資産(在庫)として資産に残ります。つまり、仕入→一部販売→売れ残り→売上原価(費用)/棚卸資産(資産)という流れで、「仕入れた時点」でその金額が確定的に費用になるわけではありません。費用になるタイミングは「仕入れたとき」ではなく「売れたとき」です。この記事の基本例(さくらの4月)は、たまたま仕入れた分を全部売り切ったため、両方が同じ4月だった、というだけです。

つまり損益計算書の「利益」は、お金が実際に入った・出た金額ではありません。これがこの後の記事「利益と現金の違い」につながる、最初の伏線です。

利益にはいくつか種類があります参考:売上総利益・営業利益・経常利益

この記事ではシンプルに「利益」とだけ呼びましたが、実際の損益計算書では、利益は段階的に計算されます。さくらの例で言えば、50万円-30万円=20万円は、売上総利益(粗利)と呼ばれるものに近い数字です。これは「売上から、仕入や製造にかかった原価だけを引いた」段階の利益で、まだ給料や家賃などの費用を引いていません。ここからさらに給料や家賃などの費用を引くと営業利益、さらに借入の利息などを足し引きすると経常利益、税金を引いた最終的な残りが当期純利益です。「売上総利益 → 営業利益 → 経常利益 → 当期純利益」の順で、引かれる費用が少しずつ増えていくとイメージすると分かりやすくなります。まずは「利益=売上-費用」という基本の形を覚えれば十分です。

確認問題

問:損益計算書の「利益」は、何を意味しますか?
次に学ぶ
利益と現金の違い
→
情報源
最終更新日:2026年9月5日|本記事の数値は架空企業「株式会社さくら」の設定値です。