学習記事|1. 経理・出納|12. 会計・税務・内部統制

「何が起きたか」を、
決まった形で書き残す。

それが、仕訳です。

仕訳の基本

難易度レベル1 経理・出納 所要時間6分 前提知識貸借対照表とは何か
⏱ 30秒で理解

仕訳とは、会社の取引を「左側」と「右側」に分けて記録する、決まった書き方です。左側を借方(かりかた)、右側を貸方(かしかた)と呼びます。名前の意味そのものより、まず「左右に分けて書く」という形に慣れることが大切です。

レベル0では、さくらに起きた出来事を文章で見てきました。この記事では、同じ出来事を、仕訳という形で書いてみます。

なぜ、こんな書き方をするのか

レベル0の「貸借対照表とは何か」で見たとおり、貸借対照表は「資産=負債+純資産」という形をしていました。仕訳の左右も、この形と対応しています。1つの取引を左右に分けて書くことで、「何が増えて、その代わりに何が減った(または何が増えた)のか」を、常にセットで記録できます。これを複式簿記と呼びます。

基本のルール

難しく感じるかもしれませんが、まず押さえておきたいのは、次の4パターンです。

動き書く場所
資産が増える(例:現金が増える)左側(借方)
資産が減る(例:現金が減る)右側(貸方)
負債が増える(例:借入金が増える)右側(貸方)
費用が発生する(例:仕入)左側(借方)

この4パターン以外にも、「収益が発生する(例:売上)→右側(貸方)」や「負債が減る(例:借入金を返す)→左側(借方)」など、いくつかのパターンがあります。すぐ下の仕訳②では、この「収益が発生する」パターンも出てきます。まずはこの4パターンを起点に、取引ごとに「何が増えて、何が減った(または発生した)のか」を考えられるようになれば十分です。

そして、左側の合計金額と、右側の合計金額は、必ず同じになります。これが複式簿記のいちばん大事な決まりです。

さくらの4月を、仕訳で書いてみる

レベル0で見た、さくらの4月の4つの出来事を、仕訳の形で書いてみましょう。

以下は典型的な例です。実際の勘定科目や処理方法は、会社の会計方針によって多少異なる場合があります。
① 商品を30万円で仕入れた(代金は来月払い=買掛金)
借方金額貸方金額
仕入30万円買掛金30万円
左:費用(仕入)が発生。右:負債(買掛金)が増える。
② 商品を50万円で売った(代金は来月もらう=売掛金)
借方金額貸方金額
売掛金50万円売上50万円
左:資産(売掛金)が増える。右:収益(売上)が発生。
③ 銀行から100万円を借りた
借方金額貸方金額
現金預金100万円借入金100万円
左:資産(現金預金)が増える。右:負債(借入金)が増える。
④ パソコンを100万円で買い、現金で払った
借方金額貸方金額
工具器具備品100万円現金預金100万円
左:資産(工具器具備品)が増える。右:資産(現金預金)が減る。

「取引が分かるから、仕訳が分かる」

ここまで4つの仕訳を見て気づいたと思いますが、仕訳そのものは、レベル0で学んだ出来事を、決まった形に置き換えているだけです。取引の中身(何が起きたか)を理解していれば、仕訳は「型に当てはめる」作業になります。逆に、取引の中身を理解しないまま仕訳の形だけを覚えようとすると、応用が利きません。

確認問題

問:現金で家賃10万円を支払ったとき、借方(左側)に書くのはどれですか?
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情報源
最終更新日:2026年9月5日|本記事の数値は架空企業「株式会社さくら」の設定値です。