学習記事|0. はじめての経理・財務|1. キャッシュマネジメント基礎

利益は20万円出た。
でも現金は、1円も増えていない。

このサイトで、いちばん大切な話です。

利益と現金の違い

難易度レベル0 はじめての経理・財務 所要時間5分 前提知識損益計算書とは何か
⏱ 30秒で理解

「儲かっている(利益が出ている)」ことと、「お金がある(現金が増えている)」ことは、まったく別のことです。さくらは4月に20万円の利益を出しましたが、4月末の現金は月初とまったく同じ100万円でした。

これから経理・財務を学ぶ上で、これが最も重要な気づきです。この違いを理解すると、なぜ「資金繰り」が必要なのかが分かります。

2つの表を、並べてみる

ここまでの記事で、さくらの4月について、2つの表を作りました。もう一度、並べて見てみましょう。

損益計算書(4月の記録) 売上50万円 − 仕入30万円 利益 +20万円 現金(4月の実際の残高) 4月1日 100万円 → 4月末 100万円 増減 ±0円 同じ4月なのに、20万円の差がある 利益は「記録上の儲け」、現金は「実際に手元にあるお金」だから
同じ会社の同じ1か月なのに、「利益」と「現金の増減」はまったく違う数字になります。

なぜ20万円もズレたのか

理由は、これまでの記事で見てきたことそのものです。1つずつ確認しましょう。

理由1:売った50万円は、まだ現金になっていない

4月12日に商品を50万円で売り、損益計算書には売上として記録されました。しかし代金が実際に振り込まれるのは5月末です。売掛金のままでは、現金は1円も増えません。

理由2:仕入の30万円も、まだ現金で払っていない

仕入も同じく買掛金として来月払いにしたため、この分の現金はまだ減っていません。利益の計算には30万円のマイナスとして入っていますが、現金にはまだ影響していません。

理由3:利益に関係ない現金の動きもあった

銀行から借りた100万円と、パソコン購入の100万円は、損益計算書には出てきません(借りたお金は儲けではなく、パソコンは何年も使うため一度に費用にならないからです)。この2つがちょうど打ち消し合い、結果として現金は動きませんでした。

数字で確認する

「利益20万円」から出発して、「現金の増減±0円」にたどり着く道筋を、数字で追ってみます。

4月の利益
+20万円
売掛金が増えた(まだもらっていない)
−50万円
買掛金が増えた(まだ払っていない)
+30万円
銀行から借りた
+100万円
パソコンを買った
−100万円
現金の増減
±0万円

この「利益から出発して、現金の動きに調整していく」という並べ方は、実はキャッシュフロー計算書という決算書の考え方そのものです。次の記事で詳しく見ていきます。

なぜこれが、いちばん大切な話なのか

もしさくらが、「利益が20万円出たから大丈夫」と考えて、儲けを当てにした支払いの計画を立てていたら、どうなるでしょうか。現金は増えていないのですから、その計画は実行できません。会社が本当に困るのは、利益が出ないときではなく、現金が足りなくなったときです。利益と現金の違いを理解することが、この先すべての記事の土台になります。

よくある間違い

「黒字だから、お金の心配はいらない」利益が出ていても、売掛金が多ければ現金は増えない。むしろ売上が伸びるほど、現金が足りなくなることもある。
「借りたお金も、利益に入るのでは」借入金は返済義務のあるお金であり、儲けではない。損益計算書には出てこない。

確認問題

問1:さくらが売掛金50万円をまだ回収していないとき、これは損益計算書と現金のどちらに影響していますか?
問2:銀行から100万円を借りたことは、4月の利益にどう影響しますか?
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キャッシュフロー計算書とは何か
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情報源
最終更新日:2026年9月5日|本記事の数値は架空企業「株式会社さくら」の設定値です。