利益は20万円出た。
でも現金は、1円も増えていない。
このサイトで、いちばん大切な話です。
利益と現金の違い
「儲かっている(利益が出ている)」ことと、「お金がある(現金が増えている)」ことは、まったく別のことです。さくらは4月に20万円の利益を出しましたが、4月末の現金は月初とまったく同じ100万円でした。
これから経理・財務を学ぶ上で、これが最も重要な気づきです。この違いを理解すると、なぜ「資金繰り」が必要なのかが分かります。
2つの表を、並べてみる
ここまでの記事で、さくらの4月について、2つの表を作りました。もう一度、並べて見てみましょう。
なぜ20万円もズレたのか
理由は、これまでの記事で見てきたことそのものです。1つずつ確認しましょう。
理由1:売った50万円は、まだ現金になっていない
4月12日に商品を50万円で売り、損益計算書には売上として記録されました。しかし代金が実際に振り込まれるのは5月末です。売掛金のままでは、現金は1円も増えません。
理由2:仕入の30万円も、まだ現金で払っていない
仕入も同じく買掛金として来月払いにしたため、この分の現金はまだ減っていません。利益の計算には30万円のマイナスとして入っていますが、現金にはまだ影響していません。
理由3:利益に関係ない現金の動きもあった
銀行から借りた100万円と、パソコン購入の100万円は、損益計算書には出てきません(借りたお金は儲けではなく、パソコンは何年も使うため一度に費用にならないからです)。この2つがちょうど打ち消し合い、結果として現金は動きませんでした。
数字で確認する
「利益20万円」から出発して、「現金の増減±0円」にたどり着く道筋を、数字で追ってみます。
この「利益から出発して、現金の動きに調整していく」という並べ方は、実はキャッシュフロー計算書という決算書の考え方そのものです。次の記事で詳しく見ていきます。
なぜこれが、いちばん大切な話なのか
もしさくらが、「利益が20万円出たから大丈夫」と考えて、儲けを当てにした支払いの計画を立てていたら、どうなるでしょうか。現金は増えていないのですから、その計画は実行できません。会社が本当に困るのは、利益が出ないときではなく、現金が足りなくなったときです。利益と現金の違いを理解することが、この先すべての記事の土台になります。
よくある間違い
確認問題
- 企業会計基準委員会「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準」(発行:企業会計審議会/asb-j.jp/jp/accounting_standards_system/details.html?topics_id=85/2026年9月確認)-利益と現金の差を調整する考え方の根拠