学習記事|0. はじめての経理・財務|1. キャッシュマネジメント基礎
お金が、
どこから来て、どこへ行ったか。
利益とは別に、現金だけを追いかける表があります。
キャッシュフロー計算書とは何か
⏱ 30秒で理解
キャッシュフロー計算書とは、一定期間に、実際の現金がどこから入って、どこへ出ていったかを、「本業」「投資」「借入や返済」の3つに分けて示す表です。
前の記事で見た「利益20万円なのに現金は±0円」というズレを、この3区分に整理すると見通しがよくなります。
お金の出入りは、3種類しかない
会社の現金が動く理由は、突き詰めると3つのグループに分けられます。
① 本業の入金・支払い商品を売った・仕入れた分の現金
② 設備などへの投資パソコンを買った、など③ 借入・返済銀行から借りた、返した、など
さくらの4月〜5月を、3つに分けて見る
さくらの取引を、この3区分に当てはめてみます。5月末には、4月に発生した売掛金と買掛金がようやく決済されるので、4月と5月をまとめて見てみましょう。
| 区分 | できごと | 金額 |
|---|---|---|
| ① 本業(営業活動) | 得意先から売掛金50万円が入金(5月末) | +50万円 |
| 仕入先へ買掛金30万円を支払い(5月末) | −30万円 | |
| 本業で残った現金 | +20万円 | |
| ② 投資活動 | パソコンを100万円で購入 | −100万円 |
| ③ 財務活動 | 銀行から100万円を借入 | +100万円 |
| 現金の増減(4月〜5月) | +20万円 | |
本業で残った20万円は、損益計算書の利益20万円と、ちょうど一致します。この記事の例では、利益と現金がズレていた原因が「売掛金・買掛金の入金・支払いのタイミング差」だけだったため、そのタイミング差が解消される5月末には、両者がぴったり一致しました。4月の時点ではズレていた2つの数字が、5月末には追いついたことになります。
ただし、これは「売掛金・買掛金が決済されれば、必ず利益と現金は一致する」という意味ではありません。実際の会社では、在庫の増減、設備の減価償却、前払い・未払いの費用、新たな設備投資、借入の返済など、ほかにも利益と現金がズレる原因がたくさんあります。ズレの原因は1つとは限らないため、原因ごとに見ていく必要があります。
4月1日の現金
100万円
現金の増減(4〜5月)
+20万円
5月末の現金
120万円
正式には「営業・投資・財務」と呼びます
これまで「本業」「投資」「借入や返済」と呼んできたものは、正式な決算書では営業活動によるキャッシュフロー、投資活動によるキャッシュフロー、財務活動によるキャッシュフローと呼ばれます。呼び方は難しく見えますが、意味はここまで見てきたとおりです。
確認問題
問:銀行から100万円を借りた取引は、キャッシュフロー計算書のどの区分に入りますか?
次に学ぶ
黒字倒産とは何か
情報源
- 企業会計基準委員会「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準」(発行:企業会計審議会/asb-j.jp/jp/accounting_standards_system/details.html?topics_id=85/2026年9月確認)-営業・投資・財務の3区分の考え方の根拠
最終更新日:2026年9月5日|本記事の数値は架空企業「株式会社さくら」の設定値です。