学習記事|6. 財務部長|13. CFO・財務戦略・企業価値
会社のお金は、
2種類の出どころでできている。
借りたお金と、株主から預かったお金の比率。
資本構成の基礎
⏱ 30秒で理解
レベル0の貸借対照表で見たとおり、会社のお金の出どころは大きく2つあります。銀行や社債権者から借りた「他人資本(負債)」と、株主から集めた「株主資本」です。この2つの比率をどこに置くかという考え方を資本構成といいます。
借入と株主資本は、性質がまったく違う
借入は、返済期限と利息の支払いが決まっている一方、金利は株主資本の調達コストより一般に低くなります。株主資本は、返済義務がなく、業績が悪いときに配当を出さない自由もありますが、株主は利益(配当や株価上昇)を期待しているため、実質的な調達コストは借入より高くなります。この違いを踏まえて、「どちらの割合を、どれくらいにするか」を財務部長・CFOが設計します。
借入(他人資本)
返済義務あり・利息は損金算入できる・調達コストは相対的に低い。借入が多いほど、財務の柔軟性は下がる。
株主資本
返済義務なし・配当は損金算入できない・実質的な調達コストは相対的に高い。財務の安定性は高まるが、資本効率は下がりやすい。
3つの立場から見る資本構成
経理
負債と純資産の比率を、正しく開示できるか。
貸借対照表上、負債と純資産の内訳・比率を正確に決算書・注記に反映する。
財務
今の比率で、資金調達の柔軟性は保てるか。
借入が多すぎると、格付や財務制限条項(コベナンツ)の面で新たな調達がしづらくなることがある。
CFO
資本コストは最適化されているか。
借入と株主資本の比率は、会社全体の資本コストに影響する。この論点はレベル7でさらに詳しく扱う。
もう少し詳しく:「借入を減らせば安全」とは限らない
借入を極端に減らし、株主資本だけで会社を運営すると、倒産リスクは下がりますが、借入という比較的低コストな資金を使わない分、資本効率(株主から見た収益性)は下がりやすくなります。逆に借入を増やしすぎると、返済負担が重くなり、財務の柔軟性を失います。「どちらが正解か」ではなく、「自社の事業のリスクの大きさに対して、どのバランスが適切か」を考えるのが資本構成の議論です。この続きは、レベル7「資本コスト(WACC)とは何か」で扱います。
確認問題
問:借入(他人資本)を増やすことの一般的な特徴として、正しいものはどれですか?
次に学ぶ
レベル6修了チェック
情報源
- 一般的な資本構成(負債と株主資本の比率)に関する解説
最終更新日:2026年9月5日|本記事の数値は架空企業「さくらグローバル」の設定値です。