学習記事(発展)|6. 財務部長|7. 資金調達・借入金管理
買収資金は、
買収後の会社を前提に考える。
通常の調達とは、見るべき数字が変わります。
M&A資金調達の基礎(発展)
⏱ 30秒で理解
これまでの資金調達は、自社の今の事業を前提に考えてきました。M&A(企業買収)の資金調達では、「買収した後の会社」を前提に、返済能力や資本構成を考える必要があります。この記事では、その考え方の基礎に触れます。
買収後の姿で考える:プロフォーマ
買収資金を借入で調達する場合、銀行は「今の自社」の財務状況だけでなく、「買収を実行した後の会社」の財務状況を見て、返済能力を判断します。この「取引実行後を仮定した」財務数値をプロフォーマといいます。買収先の有利子負債・利益を合算した上で、返済能力(利益に対する有利子負債の比率など)を検討します。
既存有利子負債
150億円
+
買収資金(新規借入)
80億円
=
プロフォーマ有利子負債
230億円
既存の借入契約への影響:支配権変更条項
買収する側だけでなく、買収される側にも注意が必要です。会社が既に借入や社債を持っている場合、その契約に支配権変更条項(チェンジ・オブ・コントロール条項)が付いていることがあります。これは、会社の株主構成が大きく変わる(=買収される)と、貸し手が一括返済を求められる条項です。M&Aを検討する際は、対象会社の既存借入契約にこの条項がないかを必ず確認します。
3つの立場から見るM&A資金調達
経理
買収後の連結決算に、正しく反映できるか。
買収先の資産・負債・のれん等を、買収後の連結決算に正確に取り込む準備が必要になる。
財務
買収後の返済能力は十分か。
プロフォーマの財務数値をもとに、買収後の有利子負債の水準が、事業計画に対して過大でないかを検証する。
CFO
投資額に見合う価値を生むか。
買収価格・調達コストの合計に対して、買収によって得られる将来の収益が見合うかを判断する。
確認問題
問:M&Aの資金調達を検討する際に、対象会社の既存借入契約で必ず確認すべきものは何ですか?
次に学ぶ
銀行との関係管理(発展)
情報源
- 一般的なM&Aファイナンス(買収資金調達)に関する解説
最終更新日:2026年9月5日|本記事の数値は架空企業「さくらグローバル」の設定値です。