学習記事|5. 財務管理責任者|8. 為替・金利・財務リスク
30社、6通貨のリスクを、
ひとつずつ見ていられません。
まとめて見る仕組みが必要です。
財務リスクの統合管理
⏱ 30秒で理解
レベル3では、為替リスクと金利リスクを、それぞれ個別に学びました。グループ全体を見る立場では、この2つを含む財務リスクを、会社ごと・通貨ごとにバラバラに見るのではなく、グループ全体でまとめて把握する視点が必要になります。
30社・6通貨を、個別に見ると起きること
さくらグローバルの30社は、それぞれ独自に、ドルやユーロなど外貨建ての取引を行い、独自に借入をしています。もし各社が個別に為替予約や金利対応をしていると、実はA社がドルを買う予約をしている一方で、B社が同じ金額のドルを売る予約をしている、というような、グループ全体で見れば打ち消し合っているリスクに、それぞれが別々にコストをかけて対応してしまうことが起こり得ます。
A社:ドルを買う予約手数料を払うB社:ドルを売る予約手数料を払う
グループ全体で見ると、リスクは相殺されているのに、両社とも手数料を払っている
統合管理で、何が変わるか
財務部が、グループ30社の為替・金利エクスポージャー(リスクにさらされている金額)を一元的に集約すると、A社とB社のポジションが実は相殺関係にあることが分かります。この場合、グループ全体としては、個別に予約するのではなく、相殺後の差額分だけ為替予約をすればよいことになります。
財務リスク統合管理の実務
- エクスポージャーの集約:各社の外貨建て資産・負債、変動金利の借入残高を、定期的に財務部へ報告してもらう。
- グループ全体でのネット化:相殺できるリスクを洗い出し、対応が必要な「正味のリスク」だけに絞る。
- 対応方針の一元的な決定:ヘッジする範囲・方法を、グループとして統一的なルールで決める。
確認問題
問:財務リスクを会社ごとに個別管理するのではなく、統合管理する利点は何ですか?
次に学ぶ
グループ会社間金利の設計
情報源
- 一般的な企業グループの財務リスク統合管理(グループトレジャリー)に関する解説
最終更新日:2026年9月5日|本記事の数値は架空企業「さくらグローバル」の設定値です。