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学習記事|3. 財務担当|8. 為替・金利・財務リスク

1ドル150円のつもりが、
140円になっていた。

受け取る金額が、円換算で変わってしまいます。

為替リスクの基礎と為替予約

難易度レベル3 財務担当 所要時間5分 前提知識売掛金・買掛金とは何か
⏱ 30秒で理解

外貨で取引すると、実際にお金が動くまでの間に為替レートが変わり、円に換算した金額が予定と変わってしまうことがあります。これを為替リスクと呼びます。あらかじめレートを決めておく為替予約で、この変動を防ぐことができます。

さくらが、アメリカに100万ドル分を輸出したら

さくらが、アメリカの取引先に100万ドル分の商品を輸出し、代金は3か月後に受け取る契約をしたとします。契約時のレートが1ドル150円なら、受け取る金額は1億5,000万円になる見込みです。しかし、3か月後に実際にレートが1ドル140円になっていたら、受け取る金額は1億4,000万円になり、1,000万円少なくなってしまいます。

契約時(1ドル150円)
1.5億円
→
3か月後(1ドル140円)
1.4億円
=
受け取り額の差
−1,000万円
為替レートが変動すると、同じ100万ドルでも、円に換算した金額が変わります。

為替予約:あらかじめレートを決めておく

為替予約とは、将来の外貨の受け渡しレートを、今のうちに銀行と決めておく契約です。さくらが、3か月後に受け取る100万ドルを、今のうちに「1ドル150円で売る」予約をしておけば、3か月後に実際のレート(直物レート)がいくらになっていても、1億5,000万円を受け取れます。この記事では話を簡単にするため、為替予約のレートと、取引を行った時点の直物レートを同じ150円としていますが、実際には為替予約のレートは、直物レートに金利差などを反映して決まるため、両者は一致しないのが通常です。

予約すれば、必ず得というわけではない

為替予約は、変動を「なくす」仕組みであって、「有利にする」仕組みではありません。もし3か月後に実際のレートが1ドル160円に上がっていたとしても、予約した150円でしか受け取れません。為替予約の目的は、利益を増やすことではなく、予定していた金額を確実に受け取れるようにすることです。この考え方は、決算上の扱い(ヘッジ会計)にもつながります。

会計上の帰結:為替差損益

為替予約をせずに外貨建て取引を行った場合、為替レートは3つのタイミングで見ます。①取引発生時(輸出の売上や輸入の仕入を計上した時点)のレートで、いったん円に換算した金額を記録します。②決算時:代金がまだ決済されないまま決算をむかえた外貨建ての売掛金・買掛金は、決算時のレートで円換算し直し、①との差額を為替差損益として計上します。③決済時:実際に代金を受け払いするときも、直前の帳簿価額(①または②のレート)と決済時のレートとの差額を、あらためて為替差損益として計上します。

為替差損益の方向は、外貨建ての資産(売掛金など=受け取る権利)か、負債(買掛金など=支払う義務)かで逆になります。さくらの例のように、外貨建ての売掛金を持っている場合、1ドル150円→140円のように円の価値が上がる方向(円高)に動くと、受け取れる円が減るため為替差損になります。逆に、同じ100万ドルでも、外貨建ての買掛金(輸入代金を支払う義務)を持っている場合は、同じ円高が進むと、支払う円が減るため為替差益になります。同じ為替レートの動きでも、資産(債権)か負債(債務)かで、損益の方向は逆になる点に注意してください。

確認問題

問:為替予約の目的として、最も適切なものはどれですか?
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金利変動リスクの基礎
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情報源
  • 企業会計審議会「外貨建取引等会計処理基準」(発行:企業会計審議会(金融庁)/asb-j.jp/jp/accounting_standards_system/details.html?topics_id=80/2026年9月確認)-取引発生時・決算時・決済時の3つのレート区分と為替差損益の計上根拠
  • 為替予約の実務的な取扱い(予約レートと直物レートの関係、ヘッジ会計の適用可否)は個別の契約・会計方針により異なるため、一次資料または専門家への確認が必要です。
最終更新日:2026年9月5日|本記事の数値は架空企業「株式会社さくら」の設定値です。