学習記事|6. 財務部長|12. 会計・税務・内部統制
個々の統制を、
部門全体の仕組みにする。
「担当者が気をつける」から「仕組みで防ぐ」へ。
財務内部統制の統括
⏱ 30秒で理解
レベル1の職務分掌、レベル5の銀行口座統制の設計など、これまでの記事は「個々の統制の仕組み」を扱ってきました。財務部長の仕事は、これらをバラバラの仕組みとして放置せず、財務部門全体としてけん制が効いているかを定期的に点検し、抜け漏れをなくすことです。
個別の統制を、点検可能な形にまとめる
さくらグローバルの財務部30人は、銀行口座の開設・閉鎖、契約書への押印権限、資金移動の承認、為替予約の実行権限など、多くの権限を分担しています。担当者ごとに「誰が・何を・いくらまでできるか」がばらばらに決まっていると、退職や異動のたびに権限が正しく引き継がれず、隙間が生まれます。財務部長は、これらの権限を一覧表(権限マトリクス)としてまとめ、定期的に「今の権限設定が、今の業務に合っているか」を点検します。
3つの立場から見る内部統制の統括
経理
記録と実行が、きちんと分かれているか。
資金を動かす人(財務)と、それを記録・検証する人(経理)が分かれていることが、統制の土台になる。
財務
権限が、今の業務規模に合っているか。
会社が成長するほど取引の金額・件数が増える。過去に決めた承認金額の上限が、今も適切かを見直す。
CFO
監査・株主に、仕組みとして説明できるか。
個人の注意力に頼るのではなく、「このような仕組みで不正・誤りを防いでいます」と、監査法人や株主に説明できる状態にする。
点検の視点:権限・記録・分離
権限
誰が、何を、いくらまで承認・実行できるか。退職・異動時に確実に見直されているか。
記録
誰が、いつ、何をしたかの記録(ログ)が残り、後から検証できるか。
分離
「起票する人」「承認する人」「記録を検証する人」が、それぞれ別の人になっているか。
もう少し詳しく:なぜ「性善説」だけに頼らないのか
財務部の担当者を信頼していないから統制を敷くのではありません。悪意がなくても、人はミスをします。また、担当者が異動・退職した後に権限だけが残ってしまう「うっかり」も、統制がなければ発見が遅れます。仕組みとして統制を敷くことは、担当者を疑うことではなく、担当者自身を「間違いを指摘されずに済む立場」から守ることにもつながります。
確認問題
問:財務部長が内部統制を「統括する」とは、具体的にどういう仕事ですか?
次に学ぶ
資金調達戦略の立案
情報源
- 一般的な財務部門の内部統制・権限管理に関する解説
最終更新日:2026年9月5日|本記事の数値は架空企業「さくらグローバル」の設定値です。