学習記事(発展)|2. 資金管理|6. 運転資本管理
売上が伸びたのに、
なぜかお金が足りない。
成長には、先に現金が必要です。
売上が増えると資金繰りが苦しくなる理由(発展)
⏱ 30秒で理解
売上が増えると、売掛金と在庫(運転資本)も一緒に増えます。利益が入ってくる前に、その増加分の現金が先に必要になるため、成長期の会社ほど資金繰りが苦しくなることがあります。
さくらが、売上150億円に成長したら
運転資本とは何かで見たさくらの運転資本20.9億円は、売上100億円のときの数字でした。もし売上が150億円に成長すると、運転資本もおおよそ比例して増えます。
| 売上100億円 | 売上150億円 | 増加額 | |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 16.7億円 | 25.0億円 | +8.3億円 |
| 在庫 | 12.5億円 | 18.8億円 | +6.3億円 |
| 買掛金 | −8.3億円 | −12.5億円 | −4.2億円 |
| 運転資本 | 20.9億円 | 31.3億円 | +10.4億円 |
売上が50億円増えると、それに先立って約10.4億円の追加の現金が必要になります。この10.4億円は、成長した売上から得られる利益より先に、立て替えとして必要になるお金です。
「売れば売るほど苦しくなる」の正体
これが、レベル0で学んだ「利益と現金の違い」を、成長企業の視点から見た姿です。売上が増えれば、いずれ利益も増えます。しかし、その利益が実際に現金として積み上がる前に、運転資本の増加分の現金が先に出ていきます。急成長している会社ほど、この「先に必要になる現金」が大きくなりやすいのです。
資金繰りの側から、何ができるか
成長そのものを止める必要はありません。回転日数とCCCで見たとおり、回収を早め、在庫を圧縮すれば、同じ売上規模でも必要な運転資本を減らせます。また、増加する運転資本を、あらかじめ融資枠や長期借入で計画的に手当てしておくことも重要です。
確認問題
問:売上が急に増えたとき、資金繰りは一般にどうなりますか?
次に学ぶ
予実比較と資金繰りの精度向上(発展)
情報源
- 一般的な財務分析における成長期企業の運転資本増加リスクに関する解説
最終更新日:2026年9月5日|本記事の数値は架空企業「株式会社さくら」の設定値です。