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学習記事|5. 財務管理責任者|4. 資金残高管理

「月商1.5か月分」の先に、
根拠が必要です。

悪いシナリオを想定して、逆算します。

必要手元資金の決め方

難易度レベル5 財務管理責任者 所要時間5分 前提知識必要手元資金の超入門 推奨履修範囲レベル4修了チェックまで
⏱ 30秒で理解

レベル2で見た「月商の何か月分」は、あくまで超入門の目安でした。財務管理責任者として決めるときは、ストレスシナリオ(悪い事態を具体的に想定すること)を使って、根拠のある水準を設計します。

舞台は、さくらグローバル(国内外30社、売上高5,000億円)に移ります。あなたは財務部で、グループ全体の手元資金の方針を任されました。

「多ければ安心」では、方針にならない

役員から「手元資金はいくら持っておけば安心か」と聞かれたとき、「多いほど安心です」では答えになりません。多すぎる現金は、レベル7で学ぶ資本効率の問題を生みます。逆に少なすぎれば、レベル0で学んだ黒字倒産のリスクが高まります。ちょうどいい水準を、根拠を持って決める必要があります。

ストレスシナリオで、必要な金額を逆算する

さくらグローバルが、次のようなストレスシナリオを想定したとします。

想定する事態資金への影響(例)
売上が3割減少する営業キャッシュフローが月30億円減少
大口取引先が倒産する売掛金50億円が回収不能になる
銀行の融資姿勢が慎重になる新規借入・借換えが半年間難しくなる

これらが同時に起きたとしても、半年間は事業を止めずに耐えられる金額を計算します。この「半年間耐えられる金額」が、必要手元資金の1つの目安になります。

半年分の固定費・返済(例)
450億円
+
売掛金の回収不能への備え
50億円
=
必要手元資金(例)
500億円

この数字が、この先の議論の土台になる

この「500億円」という数字は、次の記事「手元流動性の方針」で、現金だけで持つのか、融資枠と組み合わせるのかを考える出発点になります。また、レベル7の「現金500億円は多すぎるのか?」という問いにも、直接つながっていきます。

演習|必要手元資金を算定し、不足への方針まで決める(演習専用設定)

F社(演習専用設定、さくらグローバルとは無関係)が、この記事と同じ考え方でストレスシナリオを想定したところ、次の2つの金額が見積もられました。F社の現在の手元現金は190億円です。

想定する事態資金への影響(例)
半年分の固定費・返済210億円
売掛金の回収不能への備え30億円
①問:この記事と同じ計算方法(半年分の固定費・返済+売掛金の回収不能への備え)で求めると、F社の必要手元資金はいくらか。
②問:必要手元資金240億円と、F社の現在の手元現金190億円を比較すると、どうなりますか。
③問:F社の不足額はいくらですか。
④問:この不足額50億円への対応方針として、次の記事「手元流動性の方針」の考え方に照らして最も適切なものはどれですか。

確認問題

問:ストレスシナリオを使って必要手元資金を決めるとは、どういうことですか?
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手元流動性の方針
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情報源
  • 一般的な企業の手元流動性方針・ストレステストに関する解説
最終更新日:2026年9月5日|本記事の数値は架空企業「さくらグローバル」の設定値です。