返す期限が来た借金を、
新しい借金で返す。
奇妙に聞こえますが、よくある実務です。
借換えとは何か
借換え(リファイナンス)とは、今ある借入を、新しい借入で返済し直すことです。返済期限を延ばしたり、金利をより有利な条件に変えたりする目的で行います。
さくらの10億円、返済の途中で
銀行借入の基本と交渉で見た10億円の借入は、120回の分割返済(約定返済)でした。10年間ずっと返済を続ければ、120回目でちょうど残高がゼロになり、その時点では借り換える対象そのものがありません。借換えが必要になるのは、返済の途中で、まだ返し終えていない残高が残っている場合です。たとえば、5年間(60回分)を返済し終えた時点では、120回のうち半分を返し終えているので、残高もちょうど半分の5億円になっています。この5億円を、新しい借入で返済し直すことが借換えです。
当初借りた10億円と、借り換える時点の残高5億円は、別の数字です。借換えの金額の基準になるのは、あくまでその時点で残っている残高であり、当初の借入額ではありません。なお、返済期限が来るまで元金を減らさない「期日一括返済」という契約もあり、その場合は満期時点でも残高が当初の借入額のまま(このケースなら10億円)残るため、10億円を10億円で借り換えることになります。また、借換えのタイミングで新たな資金需要が生まれた場合は、残高より多い金額を借りて、旧借入の返済と追加の資金調達を同時に行う「増額借換え」を行うこともあります。
なぜ借換えをするのか
- 返済期限を延ばす:まとまった返済が近づいたとき、資金繰りへの影響を抑えるために期限を先送りする。
- 金利を見直す:市場の金利水準が下がっていれば、より低い金利の新しい借入に切り替える。
- 条件を見直す:財務制限条項の内容など、契約条件そのものを見直す機会にする。
借換えのタイミングを逃すと
借換えは、返済期限の直前に慌てて行うものではありません。銀行との交渉には時間がかかるため、数か月前から準備を始めます。13週間資金繰り表で見た「早く気づくことの価値」は、借換えの実務にもそのまま当てはまります。期限に間に合わなければ、一時的に会社の現金だけで返済せざるを得なくなり、資金繰りを大きく圧迫します。
確認問題
- 一般的な企業の借換え(リファイナンス)実務に関する解説