学習記事(発展)|7. CFO|13. CFO・財務戦略・企業価値

買収は、
契約した日がゴールではない。

資金の統合ができて、初めて買収の効果が出ます。

M&A資金戦略とPMI(発展)

難易度レベル7 CFO 所要時間5分 前提知識企業価値向上のための資金配分
⏱ 30秒で理解

レベル6では、買収資金をどう調達するか(プロフォーマ・支配権変更条項)を学びました。買収が実行された後は、買収した会社の資金管理を、グループの仕組みに統合する作業が必要になります。この統合作業をPMI(Post Merger Integration、買収後統合)といい、資金面のPMIも、企業価値を実現するための重要な仕事です。

買収しただけでは、価値は生まれない

買収資金の調達(レベル6)は、あくまで入り口です。買収した会社の資金が、これまで学んできたキャッシュプーリング(レベル4)やCMS・TMS(レベル4〜5)に統合されず、バラバラの銀行口座・バラバラの資金管理のまま放置されると、グループ全体の資金効率は改善しません。買収によって期待した企業価値の向上は、資金面の統合が完了して初めて実現します。

資金面のPMIで、実務上よく起こること

銀行口座の重複
買収先が使っていた銀行口座が、グループの銀行口座統制(レベル5)の対象外のまま残ってしまう。
資金集中への未参加
買収先の余剰資金が、グループのキャッシュプーリング(レベル4)に組み込まれず、グループ内で有効活用されない。
グループ会社間金利の未整備
買収先との間のグループ会社間貸借に、グループ内金利の設計(レベル5)が適用されず、税務上の論点が生じる。

3つの立場から見るPMI

経理

買収先の会計処理・仕訳ルールは統一できるか。

買収先の会計基準・勘定科目の違いを、グループの決算スケジュールに合わせて統合する。

財務

資金管理の仕組みに、いつまでに統合できるか。

銀行口座・キャッシュプーリング・TMSへの統合には時間がかかる。優先順位を決めて計画的に進める。

CFO

統合の遅れが、期待した企業価値の実現を妨げていないか。

資金面の統合の進捗を定期的に確認し、期待したシナジー(相乗効果)が計画どおり実現しているかを検証する。

確認問題

問:M&Aにおける「PMI」とは何を指しますか?
次に学ぶ
金融危機シナリオへの備え(発展)
→
情報源
  • 一般的なM&A後の統合(PMI)に関する解説
最終更新日:2026年9月5日|本記事の数値は架空企業「さくらホールディングス」の設定値です。