学習記事(発展)|7. CFO|13. CFO・財務戦略・企業価値
自社が健全でも、
市場全体が凍りつくことがある。
個社の危機と、市場全体の危機は、備え方が違います。
金融危機シナリオへの備え(発展)
⏱ 30秒で理解
「資金危機時の対応」の記事で扱ったのは、自社の業績悪化・取引先の倒産といった、個社に起きる危機でした。それとは別に、金融危機のように、銀行や市場全体が同時に機能不全になる状況もあります。自社の業績が健全でも、借換えや新規調達そのものができなくなることがあるため、備え方が異なります。
個社の危機と、市場全体の危機の違い
個社の危機
自社の業績悪化・取引先の倒産が原因。自社の経営努力や、個別の銀行との交渉で対応の余地がある。
市場全体の危機(金融危機)
銀行・市場全体が資金供給に慎重になる。自社が健全でも、社債の発行や借換えそのものが難しくなることがある。
市場全体の危機に、どう備えるか
金融危機は、いつ起きるか予測できません。だからこそ、危機が起きてから動くのではなく、平時のうちに備えを組み込んでおくことが重要です。具体的には、返済期限が特定の年に集中しないよう分散させておくこと(レベル6「資金調達戦略の立案」)、複数の調達手段・複数の銀行との関係を平時から維持しておくこと(レベル6「銀行との関係管理」)、そして、通常より厚めの手元流動性を、好況期のうちに確保しておくことが挙げられます。
3つの立場から見る金融危機への備え
経理
危機時でも、決算・報告のスピードを保てるか。
金融危機時は、投資家・銀行から通常より頻繁な報告を求められることがある。体制を平時から整えておく。
財務
返済期限・調達手段は、十分に分散されているか。
特定の年・特定の手段に返済や調達が集中していると、その時期に市場が閉じていた場合のダメージが大きくなる。
CFO
好況期のうちに、十分な備えができているか。
金融危機への備えは、危機が起きてからでは間に合わない。好況期の資金配分の判断に、備えの視点を組み込む。
レベル7、そしてこのサイトの学習は、ここで一区切りです
現金の理解(レベル0)から、企業価値のための資金配分(レベル7)まで、キャッシュマネジメントという仕事の全体像を見てきました。最後にレベル7修了チェックで、CFOとしてのトレードオフ判断を確認します。
確認問題
問:金融危機(市場全体の危機)に備える上で、最も重要な考え方はどれですか?
次に学ぶ
レベル7修了チェック
情報源
- 一般的な金融危機時の企業財務の対応に関する解説
最終更新日:2026年9月5日|本記事の数値は架空企業「さくらホールディングス」の設定値です。