ホーム›実務ツール›CMS導入効果計算
実務ツール|Treasury Decision Simulator

CMS導入効果計算

グループの余剰資金を集めたら、外部借入と資金調達コストはいくら減るのか。

レベル5 グループ財務必要手元資金 → 資金集約 → CFO判断

30秒で理解

各社の必要手元資金を残したうえで余剰資金を集め、資金不足会社へ回し、それでも余る資金で外部借入を削減する。

物理的な資金集中(Physical Cash Concentration / Cash Pooling)をモデル化します。CMSはグループの資金管理の仕組みです。現金を実際に集めて融通する場合の効果を、通常時と2段階のストレスで比較します。

初期値はReference Caseの仮定値

5社・対象外部借入800億円の学習例です。一般的な適正値や市場標準ではありません。金額は億円、金利・集約率は%、金利変化はbp(100bp=1%ポイント)です。入力と計算はブラウザ内で完結し、計算値を送信・保存しません。

1. 会社ごとの資金を入力

各社が日々の支払いや非常時に必要とする現金は残します。必要額の設定には必要手元資金計算を利用し、現預金として残すべき金額を転記してください。借入枠は集約できる現金に含めません。

入力上限:金額1,000万億円/項目、金利・集約率0〜100%、会社1〜100社。半角数字・小数可。空欄、カンマ、指数表記は使えません。上限は入力処理上の制限です。

入力する借入は、削減可能と判断したものだけ

実務では中途返済制限、Covenant(財務制限条項)、返済手数料・Prepayment penalty等を確認する必要があります。削減対象外部借入には原則として削減可能と判断した借入だけを含めてください。資金集約可能率には資金の移動制約を反映してください。

2. CMS共通条件

業務時間削減は、そのまま現金支出削減を意味しません。金額効果へ含める場合は、削減可能コストまたは経営上認められた機会価値として評価してください。機会価値を含む年間Net効果は、そのまま現金収支改善額とは限りません。

3. Scenario条件

BASE / STRESS / SEVEREはすべて変更できます。必要額倍率・集約率倍率は0〜10倍、金利変化は−10,000〜10,000bp、変化後の借入金利は0〜100%。負の借入金利は0%、実効集約率は最大100%に制限します。預金金利と共通費用はシナリオ間で一定です。

CFO VIEWへ

入力変更時に自動で再計算します。内部計算は丸めず、表示時だけ金額を最大6桁の小数、Paybackを2桁の小数に丸めます。

4. CFO VIEW

金額:億円

参考判定:BASE・STRESSの年間Net効果がともに正で、BASE Paybackが設定基準以下ならGO候補。BASEが正でもSTRESSが0以下、または基準超過ならCONDITIONAL。BASEが0以下ならHOLD。SEVEREは最終判定条件に含めず、耐性確認指標とします。

3年・5年は割引現在価値を考慮しない単純累計。NPVではありません。CMS後の対象外部借入は既存対象借入の残高であり、未充足の資金不足に対する将来の追加調達を含みません。

5. 資金の流れ

6. 計算根拠を追う

必要手元資金、資金不足、内部融通、借入削減の関係を会社ごとに確認できます。同率の場合は入力順を優先します。金額:億円、金利・率:%。

計算式とモデルの前提

必要手元資金=基本必要額×シナリオ倍率
余剰=max(現預金−必要額, 0)/不足=max(必要額−現預金, 0)
実効集約率=基本集約率×倍率(0〜100%)
集約可能資金=余剰×実効集約率÷100

内部融通=min(集約可能資金合計, 不足合計)
残余資金=集約可能資金合計−内部融通
既存借入削減=min(残余資金, 削減対象外部借入合計)
融通・返済はいずれもシナリオ借入金利の高い会社から配分します。

シナリオ借入金利(%)=max(基本借入金利+変化bp÷100, 0)
外部調達回避利息=Σ(内部融通額×シナリオ借入金利÷100)
既存借入利息削減=Σ(借入削減額×シナリオ借入金利÷100)

加重平均預金金利(%)=Σ(集約可能額×預金金利)÷集約可能資金合計(集約0なら0)
使用CMS現金=内部融通+既存借入削減
預金利息機会損失=使用CMS現金×加重平均預金金利÷100
純資金調達効果=利息削減・回避合計−預金利息機会損失

年間Net効果=純資金調達効果+銀行手数料削減+業務効率化効果−年間運用費
初年度Net効果=年間Net効果−初期導入費
Payback=初期導入費÷年間Net効果×12(年間効果が0以下なら回収不可。年間効果が正で初期費用0なら0か月)
n年単純累計=年間Net効果×n−初期導入費

全額を期首に実行し、残高・金利・年間効果が各年一定とする単純モデルです。返済スケジュール、季節性、効果の立ち上がり、税金、追加返済手数料、割引率は反映しません。未使用集約資金の預金利息は失われない前提です。使用現金を拠出各社へ集約可能額に比例して割り当てるため、加重平均預金金利を使います。

外部調達回避は、不足会社が必要手元資金を確保するため外部調達すると仮定した追加調達回避です。既存借入の返済とは区別します。グループ内貸付の利息はグループ合算では相殺される前提で、各社の損益・税務は別途設計が必要です。現金の移動額・元本返済額そのものを利益に加算しません。

7. CFOが確認すべき論点

経理の視点

会社間の貸借を追跡できるか?

Intercompany loan(グループ内貸付)の残高・利息・契約・仕訳を管理する。親会社と各社の帳簿を照合し、利益相反と少数株主への影響を確認する。

財務の視点

その現金を本当に動かしてよいか?

現金の使用制限、各社の必要手元資金、BCP時の流動性、中途返済条件、Covenant、CMS銀行手数料と一行集中リスクを確認する。

CFOの視点

ストレス時にも判断が成り立つか?

不足が残る会社への追加調達、初年度の費用負担、実現可能な業務効率化、税務・移転価格・Cross-border規制を含めて判断する。

この計算だけでは解決しないこと

税務、移転価格、源泉税、海外送金・Cross-border pooling規制、法的貸付規制、銀行契約条件、財務制限条項、中途返済制限、返済ペナルティ、少数株主、利益相反を自動的に解決したモデルではありません。地域・契約・法人ごとに一次資料を確認し、必要に応じ専門家へ相談してください。GO候補は導入承認や移動可能性の保証ではありません。

次に:キャッシュプーリングの仕組みと税務論点を確認する →

計算条件・正解値:CMS導入効果計算 v1.0 Reference Case(本ツール専用の学習仮定)。制度・契約・市場金利の標準値を示すものではありません。

最終更新日:2026年10月4日